調布で営業が終わり駅に行くと
赤十字の献血バスが献血をみなに呼びかけていたので
「ここはちょっくら献血でもするか」と腕をまくって申し込んでみた。
注射がきらいで今までなるたけ目を逸らしていたけれど
役に立ちたいな、という日頃の漠然とした欲求を満たすために勇気を出したんだぜ。
初めてだったので色々書いたり聞かれたりしながら
じゃああのバスで問診を受けて下さい、と言われバスに乗り
お医者さんと看護婦さんらしき人の前に座る。
「健康ですね」 わたしは見るからに健康であり、
「初めてですね」わたしは見るからに緊張しており、
「なに型ですか」わたしは見るからにO型であります。
「じゃあ血液のチェックをしますので」
と看護婦さんがカチャカチャと注射器を準備してわたしの両腕をしばり始める。
おおおお、こわいこわい、やっぱりやめますなどと言ったら女がすたるだろうか、
などといまさら逡巡しているとお医者さんが急に
「あなた、その顔の傷はどうしたの」とお医者さん特有のまなざしでわたしのあごを診た。
「こ、これはにきびをひっかいてできたかさぶたを剥がしたためこうなってしまった訳で」
「血が出たの」と詰問調で来たので「す、すこし出ました、だめですかね」
と答えるしかない。
患者さんにはきれいな血液をあげるのが本当であり、お医者さんは
「ばい菌が入ってるかもしれないから、残念だけど、傷が治ったらまた来てね」と言い、
看護婦さんは「いい血管なんだけどね」と看護婦目線でわたしを持ち上げてくれた。
ふたりは心底残念そうな表情でわたしを見送る。
自分では傷とも思っていない顔の傷のせいで献血が出来ないことがわかり、
わたしはとぼとぼバスを降りた。
献血後の水分補給にもらったアクエリアスがわたしの気を重くさせる。
一滴も採られていないのに補給だけするなんてなんと役に立たない人間か。
今回は協力できなかったけど傷を治してまたあのバスに乗ろう。
たすけアイランドからやってきた妖精・けんけつちゃんと一緒に。
つま
1 件のコメント:
結果は仕方ないにしても、献血が出来るだけうらやましい。
私は血液中の赤血球の濃度が薄く、
相方さんはイギリス滞在期間の問題で
ふたりとも献血できない・・・。
しかも伯父は輸血がもとで肝炎を患ってるし。
献血に縁がない。
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